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2016.04.19 (Tue)

あなたを待っています-24-




「あれなんだろう?」
 おだんごのヘアスタイルをした女が『迷宮の館』と書かれたアトラクションを指差す。するとその言葉に周りにいた女たちもはしゃぎ始めた。
「あれ見たことあるよ! テレビで特集されていたもん! 薄暗くてBGMもゆったりとしているから心細くて、お化け屋敷よりも恐怖を感じられるって!」
「なにそれ! チョー楽しそうっ!」
「入ろうっ! ねえ、淡雪くん?」
 厚化粧をした女たちがはしゃぎ始めるも淡雪は特に興味はなかった。正直面倒臭かった。ずっと、しかも炎天下の中で女たちに囲まれて淡雪は疲弊していた。だがそれを口にするつもりはなかった。なので今回も特に文句も言わず、女たちが喜ぶような柔らかい笑みを浮かべて同意した。
 そしてその『迷宮の館』に近づくと、出口付近で見覚えのある集団を見つけた。

「牧港さんたちも入っていたんですね」
 遊園地に来て早速女に囲まれた為離れてしまった男グループがそこにいた。
「……何かあったんですか?」
 『迷宮の館』の前では長い列になった客とは別に出口に立っていた牧港たちに声をかけた。
 すると牧港たちは焦った色を孕んだ目を泳がせながら口を開いた。
「……電気系統の故障が起きたみたいなんだ……」
「それは大変ですね。……それより牧港さんたちは井草先輩と一緒にいませんでしたっけ?」
 牧港たちと一緒に行動していた井草の姿が見えない。それを不可解に思い問いかけると、牧港の表情が暗くなる。
「……あ、いや……、その井草が中にいて……」
 しどろもどろに答える牧港に淡雪の表情が硬くなる。
「電気系統って照明や空調だけじゃなく、音響も駄目になっているって事ですか?」
「そうだと思うが……」
 牧港の言葉で淡雪は慌てて入口に向かう為に背を向ける。その行動に驚いた牧港が背後で叫ぶ。
「淡雪っ!? 何しようとしてんだ! 中は真っ暗で見えないんだぞっ! もう少しで復旧するらしいからそれまで大人しく――」
 牧港や他の人間の声が聞こえたがそれを無視して中へ入った。
 復旧してから助ければ良いと理解していても、居ても立ってもいられなかった。一刻も早く向かいたかった。
どうして自分がそんな事をしなければいけないのだと己に問いかけても答えは出なかった。ただ、エレベーターの中で恐怖に震える井草を思い出したら身体が動く。一人恐怖に耐える井草を想像するとじっとしていられなかった。





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